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Guest 北海道を訪れた今を輝くゲストのスペシャルインタビュー


泉 沙世子


シングル『スクランブル』でメジャーデビューを果たした、シンガーソングライター・泉 沙世子。『Dream Vocal Audition』で1万人を超える応募の中からグランプリを受賞したシンデレラガールは、時に不安や迷いを抱えながらも、ひと握りの勇気と夢を胸に、今、幾多の人生と機会が交錯する岐路に立つ。





インタビュー(October,2012)
泉 沙世子


>今回、北海道へいらしたのは初めてですか?

初めてです!まだほとんど外に出られていないんですけど、飛行機を降りて電車に乗り換えて、景色が見えた瞬間、すごく寒そうだなと思いました。

>名物を食べられたりはこれからのお楽しみですね。
さっき、空港の近くでおかゆを食べました。

>わざわざ北海道までいらっしゃって…(笑)?
あったかいかなと思って。おかゆを外食で食べたのは初めてなので、比較対象がまだないんですけど…(笑)。

>北海道にはどのような印象をお持ちですか?
やっぱり夜景ですかね。あと、お母さんが学生の時に阿寒湖の辺りでリゾートバイトをしていたそうで、その頃の話をよく聞いていて、じゃがいもがすごく甘い!というイメージがあります。毛ガニとかウニとか、他にも食べてみたいものがいっぱいあります。

>今回1stシングル『スクランブル』のリリースでメジャーデビューをされましたが、遂に目標を実現された心境はいかがですか?
デビューはもちろんすごく嬉しいんですけど、デビューすること自体がゴールではないので、今もずっと緊張の糸が張りつめたまま全く緩んでいませんし、やっと掴んだチャンスの勢いを絶やさないように気合いが入っています!

>実際にデビューをされて、御自身をとりまく環境に変化はありましたか?
変わりましたね。今までは自分のペースでテーマや方向性を決めて曲を書いていたんですけど、今回は事前にイメージソングでというお話をいただいていたので、こういうイメージに沿ってという目的地や、何日までにというスケジュールが決められていました。今までは曲を作っても聴いてもらえる機会も無く、しまい込んでいる曲も多かったので、私の作った曲を待ってくれる方がいてくれたり、聴いてくれるスタッフの方がいてくれるのはすごく嬉しいです。あと、さっきもラジオを収録させていただいた後に、外へ出ると「サインをしてください!」と声を掛けていただいたんですけど、ツイッターやブログのコメントをたくさんいただけるのも本当にありがたいです。これまではライブでお会いしていてファンの方の顔が分かるし、その方の話す雰囲気も浮かんでくるくらいの人数だったので、全く知らない方が私のことを知ってくれているというのはなんだかこそばゆい感じですね。

>ハスキーな声質が特徴的ですが、御自身の声についてはどのように捉えられていますか?
今までも自分で歌った声を聴いたことはあったんですけど、最近ラジオとかを通じて改めて聴くと「こんなに低いんや!男みたいやなぁ!」と思ってびっくりしました。昔オーディションを受けていた頃、私の歌声を聴いて「お酒強そう!」って言われたことがあって、ほとんど呑まないんですけど、そう言われることが多い声質なんですよね…(笑)。17歳くらいの頃に受けたオーディションで、「もっと17歳らしい声出して!それじゃ27歳なんだよ!」と言われた時は、「もうちょっとかわいい声が出ないかな…」と悩んだこともあったんですけど、やっと声に年齢が追いついてきて、今は自分の武器のひとつです。

>『スクランブル』の歌詞は、渋谷のスクランブル交差点からインスピレーションを受けられたそうですね。
映画は登場する主要人物がみんな、過去に挫折したことや後悔してることを心の中に秘めていて、でもその状況を打破したい、前に進みたいという気持ちで行動を起こしていくストーリーで、私も夢を追って上京してきて、最初は渋谷のスクランブル交差点が「いろんなチャンス待ってるんやろな!」とキラキラして見えたんですけど、それから活動が上手くいかない時期が続いたりして、そういう時に行くとすごく心細いような、圧迫感みたいなものを感じたんですよね。でも、それに潰されてしまうのではなく、乗り越えたいという前向きな気持ちが自分とすごくリンクしました。

>曲調的にはテンポがよく、勢いが感じられます。
普段は大体詞が先で、この言葉を使いたいな、この言葉はどのメロディーが合うかなという風に探していくんですけど、今回はサビ頭の「飛びたい」という言葉が小説の中ですごく印象的だったので使いたかったんですよね。メロディーにしても歌詞にしても、その「飛びたい」という表現を使いながら、ディレクターさんや映画スタッフの方々が持っているイメージと折り合う部分を、手探りで何度も何度もやり取りしました。歌詞は共感できる部分をわりとすぐに見つけられたんですけど、メロディーは本当に苦労しましたね。あと、この曲はアレンジでも全然イメージが変わっていて、メロディーと歌詞だけ切り取ると重さが残る印象なんですけど、それがポップにとっつきやすくなったのが私にとってはすごく新鮮でした。今まで作ってきた曲とはまた違って、新しいものを取り入れながら、私が言いたいことややりたいことが全く消されることもなく、そのまま良いバランスでまとまっていて、自分でも本当に気に入っています。

>それまでは全て御自身の表現や判断で完成だったでしょうから、制作の過程も大きく違ったのでは?
職人みたいな部分があるなと思いました。やっぱりオーダー通りの希望に応えられるのか?という不安はありますし、すごく難しいんですけど、でも「相手の人が言ってはるしこれでいいか…」でもなく、「私がしたいからこれでええやろ!」でもなく、私自身はもちろん、相手の方にも気に入ってもらえる曲がどうしても作りたかったんですよね。

>『飛行機雲』は“ウルフルズ”のウルフルケイスケさんがアレンジを担当されていて、どちらの個性も反映された仕上がりになっています。
今までずっと聴いてきていたし、実際にギターも演奏していただいているので本当に嬉しかったですね。アレンジのデモが届いた時に、私にとってもすごく耳馴染みのいいアレンジなので、頭の中でトータス松本さんの声に置き換えて再生してみたりもしました(笑)。テレビやCDを通して聴いていた世界に、自分が混じっているのがすごく不思議な感覚です。

>ウルフルケイスケさんと初めてお会いした時は、どのような状況だったんですか?
打ち合わせをしている時に、マネージャーさんとディレクターさんで「アレンジをウルフルケイスケさんにお願いしてみようか?」みたいな話が出て、はじめは冗談を言っているのかと思っていて、正直まさか来ていただけるなんて考えてもみませんでした。その数日後に、スタジオでリハーサルをしていたら、ディレクターさんが「別のスタジオで打ち合わせをするから」と連れて行かれて、エレベーターが開いたらそこにケイスケさんがいらっしゃったので、とりあえず思い切り泣きました(笑)。「こんなリアクションするんや!」と思うほど、恥ずかしいくらいぶわーっ!て泣きました。今までライブで観ていて、絶対見つけてもらえないような遠いところから眺めていたわけですから、それが名前を呼んでいただけるし、隣にいらっしゃるしで…とにかく感動しました!

>トータス松本さんはいつ頃からお好きだったんですか?
リアルタイムではないんですけど、高校二年生くらいの頃に姉の持っていたCDをたまたま聴いて、それから好きになりました。最初は『バンザイ』や『ガッツだぜ!!』、『ええねん』とかから入ったんですけど、特に好きなのは『恋の涙』や『いやんなる』という曲ですね。“ウルフルズ”を好きですと言うと、「パワフルですよね」とか「前向きで元気ですよね」とよく言われるし、その部分はもちろん好きなんですけど、私は作品からすごくナイーブな感情が伝わって、弱さが少し見えることで、この人は全く別の人間ではなく同じ弱さがあって、その上で「頑張れ!」と励ましてくれるのなら「私にもできるかもしれない」と背中を押された気がして、さらに好きになりました。私もそういうアーティストになりたいと思います。

>『スクランブル』と『飛行機雲』では受ける印象が異なりますが、意識されたことはありましたか?
『スクランブル』はちょっと暗い、後ろ向きな感情という要素も入っているので、誰かに語りかけるというより自分の想いを叫ぶようなイメージだったんですけど、『飛行機雲』は高校生くらいの頃の自分へ向けて書いた作品なので、人に語りかけるようなイメージで歌いました。

>作詞作曲について特にこだわられているところはありますか?
私自身も曲を聴く時は「何を伝えたいんだろう…?」というところにすごく興味があるので、なるべく日本語で書きたいし、英語を使うにしてもわかりやすい英語を選んでいて、心にすっと入り込んで共感してもらえる作品を作りたいと思っています。歌詞でも嘘をつけないんですよね。私がくよくよしている性格なので、そのありのままの私自身を見ていただくことで何かのきっかけになってもらえたら嬉しいです。

>御自身の感情や実体験を通して表現されている?
そうですね。これから作っていくにしても、例えば恋愛で言うと、ひとりで何パターンも経験できるわけではないので、どこかに人の経験を取り入れたり、妄想を膨らませることはあるとは思うんですけど、常に自分の考えや経験から得たことを書いていきたいと思います。

>6歳から歌手を目指されていたそうですが、楽曲も作られていたんですか?
ずっと歌だけをやっていたので、曲を作り出したのはここ2~3年で、実は最近なんです。

>以前に作られた曲を御自身で聴き返すとどのように感じられるんですか?
ここ2~3年の曲はちょっと恥ずかしさはあっても、この時はこの時で良かったなと思えるんですけど、本当に初期の頃の数曲はテンプレートみたいで恥ずかしいですね。テーマにしても“愛”だったり、普段では使わない言葉遣いであったり、落し所も私の考え方からして「ここに落ち着かへんやろ!」というところに行っていたり。スタッフの方にも渡していないので、完全に葬り去ります…(笑)。“恋愛”をテーマにした作品もあって、なぜか男っぽい曲になっているんですけど(笑)、いずれ発表していきたいですね。

>ブログも頻繁にアップされています。
頭の中でぐるぐる考えたことを人に自分でも恥ずかしいぐらい聞いてもらいたいという気持ちが昔からあって、作品もその延長で「私はこういう風に考えています」と伝えたくて作っている部分もあるんですよね。だから、ブログも本当に正直に書いているので、私の素のままを見てもらえたら嬉しいです。

>ファッションがお好きなんですか?
好きです!特に古着が好きで…古着プラス流行りのものとか、ファストファッションを混ぜたようなスタイルが好きです。私の住んでいる場所には古着屋がたくさんあって、コテコテの人もいっぱい見かけるので、違和感なく好きですね。歌にしてもそうなんですけど、私服は格好よすぎるというより、「何、その柄?」とか「その裾の形何なん?」みたいなつっこみどころというか、どこか愛嬌の感じられる服が好きですね。



『スクランブル』
KICM-1422 / ¥1,050(tax in)


泉 沙世子
1988年10月28日生まれ。大阪府豊中市生まれ、岡山県蒜山育ち。『Dream Vocal Audition』で1万人を超える応募の中からグランプリを受賞し、CDデビューのチャンスを掴んだシンデレラガール。
オフィシャルサイト http://www.izumisayoko.com



text Pilot Publishing / photograph Hideki Akita(TOOTOOTOO studio)
October,2012




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