時代の名機を揃える縫製工場『ニードル&スレッズ・マニュファクチュアリング』。
工場長・千葉一司氏が受け継ぐ、“メイド・イン・北海道”への挑戦。
千葉 一司 / 『Needle & Threads MFG.』工場長
北海道には数少ない専門縫製工場『ニードル&スレッズ・マニュファクチュアリング』。
工場内には、シンガーやユニオンスペシャルなどをはじめとする、多種多様なミシンが整然と並べられている。「ほとんどが激レアと称されるユニオンで、ここにあるのは全て現役です。現役で動いている中だと、30年代のミシンが一番古いんじゃないかな。これだけの数のミシンが揃っているのは珍しいとよく言われるし、北海道で厚手の製品を縫えるところは少ないらしいです。ただ、古いミシンは扱いが難しくて、調子が悪くなっても修理がなかなかできないので、結局やっているうちに自分でいじれるようになってきました(笑)。」と話す工場長の千葉氏。
現在は、道内で展開する系列ショップのオリジナル商品を中心に製作を手掛ける。「今手掛けているのは、ほとんどがボトムですね。ショップのオリジナル商品はどれも個性やこだわりが強いので、難しいものばかり上がってきます(笑)。大量生産のように同じ製品や工程だと数もこなせるんですけど、生地の裁断から縫製までやるので、どうしても少量生産になってしまいます。」
職人達が手作業する作業風景からは、モノ作りの原点を思い起こさせ、あたたかなぬくもりを感じさせてくれる。「都度の要望に100%応えれるように努力しています。縫製はミリ単位で仕上がりが変わってしまうので、パーツごとに何度も試作を重ねて初めて製品にしています。全部きちんと合わせていかないと、最終的に納得のいく仕上がりにはならないんですよね。」
2009年の開設から早くも3年の月日が経過した。“メイド・イン・北海道”を掲げるあくなき挑戦はこれからも続いていく。「当時はひとりで任されていたので、何時間やっても思い通りにできなくて、頭にきてぶん投げたものを結局自分で拾いにいくなんて悔しい気持ちを何度もしました。でも、今やれているのはその時に泣いたお蔭かなと思います。」
photograph Hideki Akita
June,2012
2009年秋、旭川市に設立したデニム縫製工場『ニードル&スレッズ マニュファクチュアリング』。シンガーやユニオンスペシャルなど歴代の名機から最新モデルまで、工場内には作業工程に合わせた多種多様なミシンがずらりと並ぶ。ジーンズの本場・岡山倉敷市で修行を積んだ職人が、確かな経験に裏打ちされた豊富な知識と熟練の技術で作り出す、こだわりの逸品。地方からの挑戦、”メイド・イン・北海道”のジーンズがついに誕生する。
インタビュー(December,2009)
梅本 隆 / 『Needle&Threads MFG.』工場長
>ジーンズに興味を持ち始めたのはいつ頃からですか?
>当時はドメスティックブランドのオリジナルやヴィンテージの復刻版が人気を集めていた時代ですか?
>それから職人になられた経緯について聞かせてください。
>いくらお好きとは言え、なかなか行動へは移せませんよね。もともと洋服を作られていたのですか?
>どれくらいの規模の工場だったんですか?
>そんなに少ない人数で生産をされているんですね!技術の習得はかなり期間がかかるのですか?
>職人の徒弟制度のような?
>念願だった工場で仕事をされてみていかがでしたか?
>北海道で工場を立ち上げられるまでの経緯を聞かせてください。
>地方発をうたったデニムは今までに無いかもしれませんね。
>全国的に見て、本場以外の地方にも工場はあるんですか?
>特にこだわったところについて教えてください。
>準備にもかなりの期間がかかったんじゃないですか?
>新品ではないので、欲しいからといってすぐに手に入るわけではありませんよね。
>特にシンガーは博物館に飾られていたミシンだそうですね。よく譲ってもらえましたね!
>壊れてしまったとしても替えの部品なんてありませんよね。
>縫い目はそんなにも違うのですか?
>現状どのような展開をされているのですか?
>期待が高まりますが、きっと最初は定番モデルになりますよね?
>それぞれ趣味思考も違いますし、難しいですね…。
>特に難しいのはどの行程なのでしょうか?
>作業の様子を拝見させていただくと、洋服が手作りだというのを改めて実感させられました。
>ミリを超えて、一針単位での繊細なお仕事をされているのにも驚きました。
>世の中の9割以上の方がどうでもいいことなんですけれど、それを真剣に取り組むのがきっとこだわりなんでしょうね。では最後に、自身にとってジーンズの魅力とは?
『Needle & Threads MFG.』
電話 0166-21-1877
December,2009