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Shop 北海道各地の街に息づく魅力あふれるショップを紹介


セレクト『ANATOMICA SAPPORO』(札幌市)


住所:北海道札幌市中央区南3条西8丁目 第一ビル-1F
営業時間:12:00〜21:00
定休日:なし
電話:011-219-1231
ブログ:http://anatomica-sapporo.com/blog/



ピエール・フルニエ氏自身による監修のもと、パリの本店の内装も手掛ける建築家ルイス・フライレイ・アメストイ氏が設計。必要最低限まで削ぎ落とされたシンプルな店内は、洗練された美しさを携え、落ち着きのある心地良い空間。本店の雰囲気を継承しながらも、『ANATOMICA SAPPORO』ならではのオリジナリティを兼ね備えた内装に仕上げられている。壁一面や什器に使用された木材は、経年により今後醸し出されるであろう味わいを想像させてくれる。また、エクスクルーシヴなアイテムの数々を取り揃える、路面店ならではの豊富なラインナップも大きな魅力。中でも『ANATOMICA』の【ALDEN】は、全て“モディファイドラスト”で作られる特別な仕様となっており、アメリカの計測器”ブランノックデバイス”を使用してのシューフィッティングによる販売が徹底されている。


【ANATOMICA】
1994年、世界的に著名なバイヤーのピエール・フルニエ氏が、パリにオープンしたセレクトショップであり、そのオリジナルブランド。 ピエール・フルニエ氏が追求する妥協のない、こだわりに溢れたコレクションは、独自の世界観と本物のエレガンスを表現している。【ALDEN】などのコラボレーションによる別注シューズもリリースするなど、その確かな審美眼と感性は世界中から注目を集めている。





potograph Hideki Akita(TOOTOOTOO studio)
April,2013





1994年、世界的なカリスマバイヤー、ピエール・フルニエ氏がパリにオープンさせた『ANATOMICA PARIS』は、現在のセレクトショップの起源ともいわれる伝説的ショップである。最先端のコレクションとは一線を画し、揺るぎない独自の信念と感性のもと、徹底的にこだわり抜かれ表現されたコンセプチュアルなアイテムは、世界中のバイヤーから注目と尊敬を集め、今もなおファッションシーンに多大な影響を与え続けている。そして、2011年の東京『ANATOMICA TOKYO』に続き、今年3月に『ANATOMICA SAPPORO』が待望のNEWオープン!

2004年にセレクトショップ『ARCH』をオープンして以降、時代や流行に左右されない独自の世界観とスタイルを確立し、札幌のファッションシーンを牽引し続けてきた山内公史氏。そして今年3月、彼自身の長年の憧れであり、多大な影響を受け続けてきた『ANATOMICA』の札幌店をオープンさせ、全国のファッショニスタやメディアから大きな話題を集めた。『ANATOMICA SAPPORO』にかける想いとこれからを尋ねる。



インタビュー(April,2013)
山内 公史 / 『ミサンガインターナショナル』代表


>まずは、御自身と『ANATOMICA』の出会いにから聞かせてください。
『ANATOMICA』を知ったのは、1990年代の後半だったと記憶しています。当時働いていたショップで上司が『ANATOMICA』のワークジャケットを着ているのを見て、すぐに自分も購入しました。ちなみに、その時に買ったジャケットは今でも大切に着ています。初めてパリの『ANATOMICA』を訪れたのは、2003年の2月頃でした。ショップから発するオーラ、品揃え、洋服の完成度、全てにおいてそれまでの自分の洋服に対する概念を覆されました。特に“ブランノックデバイス”を使用して、シューフィッティングを行ってからシューズを販売するスタイルには衝撃を受けました。

>札幌店のオープンを決心された経緯について聞かせてださい。
2012年の1月、パリで『ANATOMICA TOKYO』をされている寺本欣児氏から誘っていただき、オーナーのピエール・フルニエ氏、チャールズ・ヌス氏、内装を手掛ける建築家のルイス・フライレイ・アメストイ氏と共に食事をする機会があり、その際に『ANATOMICA』を札幌でやってみないかというお話をいただきました。もともと『ARCH』では2004年から取り扱ってきたブランドでしたので、思い入れも人一倍ありました。だから、そのお話をいただいた時は、自分の中では即決していました。

>『ANATOMICA』と【ALDEN】には深い関わりがあるようですね。
『ANATOMICA』の歴史、それはすなわちオーナーのピエール・フルニエ氏の歴史でもあります。彼は1975年、パリに『GLOBE』という現代版セレクトショップの源ともいえるショップをプロデュース。そして、1979年、その延長線上に『HEMISPHERE』をオープンさせました。「1979年、私が米国買付のため訪問した米最大の街ニューヨークにて、偶然1軒の“ORTHOPEDIC(整形外科)”ショップを発見しました。俗に言う外反母趾矯正のための靴としてそれは販売されており、“モディファイドラスト”として完成されたストレートインサイドのシューズでした。」とピエール・フルニエ氏は語っています。それこそが、みなさんご存知の【ALDEN】の“モディファイドラスト”のシューズです。そして、【ALDEN】“モディファイドラスト”との出会いから15年の月日を経て、ピエール・フルニエ氏は1994年、パリに『ANATOMICA』をオープンし、新たな概念を打ち出しました。それが「ANATOMIC TRUTH、BEAUTY AND TRUTH、TIME HAS COME TO LOOK FOR GOOD FITTING」です。「ANATOMICAISM」は、今や世界各国の人々に認知されており、特に店舗スタッフが“ブランノックデバイス”を使用して計測するシュー・フィッティングには、現在では誰もが認め、多くのリピーターを招いています。僕も含め、世界中の洋服好きに愛され続ける『ANATOMICA』が『ANATOMICA』である所以は、オーナーであるピエール・フルニエ氏の上記で述べた、洋服に対する真摯な姿勢であると確信しています。

>その【ALDEN】をはじめ、店内にはこだわりを感じさせる商品が豊富に取り揃えられています。
商品構成はフランス、日本、イギリス、アメリカ、それぞれの得意分野で作られる『ANATOMICA』のウェアーが中心です。例えば、ニットは英国製、Tシャツはアメリカ製だったりします。ひとつのアイテムを完成させるのに、3年もの期間をかけることも珍しくありません。そして、『ANATOMICA』が特別にオーダーしている【ALDEN】のシューズは、日本ではこの『札幌店』と『東京店』でしか手に入りません。特にお問い合わせの多い【ALDEN】のシューズに関しては、今後ラインナップがどんどん充実してきます。店頭では、一部サンプルも御用意していますので、御予約も随時承っています。

>『ANATOMICA』の魅力について、御自身はどのように捉えられていますか?
基本的に『ANATOMICA』では、シーズン限りのウェアーは存在しません。「末代に残すべき良質な洋服と素材が見つかった場合のみ、それを具現化する。」というコンセプトのもと物作りは行われています。よって、全て定番であり、長く愛用できるものばかりです。僕自身、『ARCH』をオープンさせる以前から『ANATOMICA』、そしてオーナーであるピエール・フルニエ氏の洋服に対する考え方に、ずっと影響を受け続けてきました。だから、今の『ARCH』は『ANATOMICA』の存在なくしては語ることができません。今までは『ARCH』というフィルターを通して『ANATOMICA』を展開してきましたが、これからは『ANATOMICA』が1994年からパリで培ってきたものや空気感、そしてスタイルを今まで以上にみなさんにお伝えできればと考えています。

>木材を基調とした、シンプルで洗練された空間も印象的です。
内装は、ピエール・フルニエ氏の古くからの友人でもあり、74歳のバスク出身の建築家、ルイス・フライレイ・アメストイ氏が手掛けています。今回このショップを作るにあたって、約1年の期間を要し、彼らの来日が4回、僕が渡仏したのが4回と、計8回に渡って打ち合わせを重ねて完成したショップです。内装や什器に対する考え方も、日本人の発想にはあまりない独自なもので、大変でしたがやりがいのある仕事でした。

>では最後に、御自身にとって『ANATOMICA』とはどのような存在なのでしょうか?
ピエール・フルニエ氏がパリで20年かけて創り上げてきたもの。良きパートナーであり、自分の中では永遠に偉大な存在です。


potograph Hideki Akita(TOOTOOTOO studio)
April,2013



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